オブジェクトとは、何かの「操作」を指示する「対象物」のことをいいます。
Excelでは、「ワークシート」や「セルの範囲」、「図」や「グラフ」などを指します。
オブジェクトは階層構造になっていて、書式は上の階層から下の階層へ記述していきます。
オブジェクトの階層構造
オブジェクトの階層を図にすると、次のようになります。
•アプリケーションは「Excel」
•ブックは「Book1」や「Book2」など
•シートは「Sheet1」や「Sheet1」など
•セルは「RangeやCells」などを指します。
オブジェクトの取得と書式
書式例
•Book1(ブック1)のSheet1(シート1)のA1セルの内容を「123」にするという場合の書式例
→各要素は「.」ピリオドで接続します。
→「=」は、右辺の値を左辺に「代入」するという意味です。

Workbooks(1).Worksheets("Sheet1").Range("A1").Value=123
上位のオブジェクトを省略する書式例1
上位のオブジェクトは、省略することができる場合があります。
•作業中のブックのSheet1(シート1)のA1セルの内容を「123」にする場合の書式例
→作業中のブックは省略可能

Worksheets("Sheet1").Range("A1").Value=123
上位のオブジェクトを省略する書式例2
•作業中のブックのアクティブシートの場合はシート名を省略することができる。
•作業中のブックのアクティブシートのA1セルの内容を「123」にする場合は、シート名を省略することができる。
Range("A1").Value=123
→シートを省略することができます。
Range("A1")=123
→Valueを省略することができます。
Book1のオブジェクトやSheet1のオブジェクトを書かないときは、アクティブブックのアクティブシートを対象にしているとみなされます。
オブジェクトの集合=コレクション
オブジェクトの集まったものを、「コレクション」といいます。
Workbooksコレクション
•ブックが集まったものを「Workbooksコレクション」といいます。
Workbookオブジェクトの書式例
•ワークブックのBook1オブジェクトを取得する場合。
→ブックの名前で取得する
Workbooks(1)
→何番目に開いたかというインデックス番号を示す
Worksheetsコレクション
•シートが集まったものを「Worksheetsコレクション」といいます。
Worksheetオブジェクトの書式例
•ワークシートのSheet2オブジェクトを取得する場合。
→ワークシートSheet2の名前で取得する
Worksheets(2)
→左から数えて2番めにあるシートを示す
Withステートメントで処理を簡潔にする
ひとつのオブジェクトに対して、さまざまな支持をする場合がよくあります。
例えば次のような場合です。
A2セルのフォントオブジェクトに対して
- 「MS Pゴシック」にする
- サイズを「16」にする
- 「太字」を設定する
- 「斜体」を設定する
とします。
•Withステートメントを使わない時
Range("A2").Font.Name = "MS pゴシック" Range("A2").Font.Size = 16 Range("A2").Font.Bold = True Range("A2").Font.Italic = True
•Withステートメントを使う時
とても、見やすくなりますね。
With Range("A2").Font .Name = "MS pゴシック" .Size = 16 .Bold = True .Italic = True End With
以上で「オブジェクトの階層構造と書式例」の説明を終わります。